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高齢者の食生活 ~その9~

 前回は、一人暮らしの男性にスポットライトをあて、食生活実態についてご紹介しました。今回も前回に引き続き、一人暮らしの男性(以下、単身男性)と夫婦世帯の男性(以下、夫婦男性)を比較し、食生活に対する考え方において両者で違いが見られる項目(カイ二乗検定5%有意)についてご紹介します。

 単身男性は夫婦男性に比べ、食事作りにおいて、やりがい、楽しみを感じている人が少なくなっていました。その結果、食事つくりに手間や時間をかける人も少ないと考えられます。

料理についての考え方(「非常にあてはまる」+「ややあてはまる」)

 今後の食生活については、食事つくりを省力化できるサービス(配食、食材宅配、出張料理)の利用意向は高くなっています。また、栄養などのアドバイスを受けることができるサービスも、利用したい人が半数を超えました。

今後のサービス利用(「非常に思う」+「やや思う」)

 これに対し、誰かと一緒に食事をする「共食(きょうしょく)」については、現在も全く実施していない人が多く、今後についても実施意向は高くありませんでした。

今後、共食の機会をもちたいか(「全く思わない」)

 単身男性は、1人で食事をすることが多く、食事つくりの楽しみが少ないことに加え、食事自体の楽しみも少ないことが懸念されます。これからの年末年始、クリスマスやお正月の行事にあわせて、誰かとイベント食を楽しむことから共食をはじめてみてはいかがでしょう。

*アンケートは、平成15年度、社会福祉・医療事業団の長寿社会福祉基金事業の一環として、社団法人シルバーサービス振興会から都市生活研究所への委託研究で実施。

都市生活研究所 杉山 智美

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