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住宅一次取得層が求める食生活シーン~(2)「休日の食事づくりの希望手段」から捉える~

 前回のコラムでは、住宅一次取得層が家庭で「よく作る」メニュー実態を通して、汚れに対して気兼ねなく思う存分料理できるキッチン空間が求められていることを紹介しました。今回はその第2弾として、「休日の食事づくりのための希望手段」から考えられる、住宅一次取得層が名実ともに求めるキッチン空間について考えてみます。

 前回と同様、都市生活研究所で2007年11月に25~44歳の既婚女性1100名に対し、休日の料理について、「楽しむ時間を持ちたい」と「料理にかける時間を短くしたい」ではどちらの気持ちに近いかを聞きました。その結果、子どものいる層では時間短縮派が半数を占めるのに対し、DINKSでは楽しみたいと考える人が45%と短縮派よりも多く、子どもがいるかいないかで休日の料理をラクしたいものか楽しみたいものか異なる傾向にあることがわかりました。

休日の料理について、どちらの気持ちに近いですか


 ところが、ラクしたいにせよ楽しみたいにせよ、そのための希望手段を聞いたところ、結果的には共通して、鍋などで食卓を囲む、家族で一緒に料理するといった、料理を通じて家族交流につながるものが上位に上がりました。食卓を囲んで加熱しながら食べるメニューは、家族の一体感が得られることはもとより、作る行為と食べる行為が同時にできるため時間短縮につながるだけでなく、その材料にこだわることで楽しみにもつながり、いろいろな面でこの世代の潜在ニーズに答えられる手段と言えそうです。また、家族で一緒に料理をすることは、子どもがいれば食育につながり、子どもがいなくても食材や見た目の演出を工夫することでより楽しく休日を過ごせるものと考えられます。
休日に料理時間を短縮するための希望手段

休日に料理を楽しむための希望手段

 このように、休日は、料理を通じて家族が交流することで、料理時間の短縮にも楽しみにもつながるため、キッチン(食卓)空間も積極的にそれに対応できることが求められます。例えば、食卓で鍋などをする際、ニオイや煙が気になる人が60%いることから、換気装置を備えた照明器具の食卓上部への設置や、加熱装置が備え付けられた食卓、家族揃って料理ができる空間設計等がされた住宅が喜ばれるのではないでしょうか。
 

荒井 麻紀子

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