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「湿度が下がって、かつ健康にもよい」と感じられる夏の空調

 関東でも先日梅雨入りが発表され、じめじめした日が続いている。5年目を迎えるクールビズも定着しつつあり、「キュウリビズ」(注)など、クールビズをもじった取り組みも行なわれている。

(注)クールビズをヒントに、体を冷やす効果のあるキュウリの消費拡大を促すため、全農福島県本部が考案した造語。
 涼み方は人それぞれであるが、実際にエアコンを使用している人は多い。生活者はエアコンをどのように評価しているのだろうか。
 都市生活研究所が2008年8月に実施した調査(既婚女性46名対象)によると、リビングでは主にエアコンを使用している人が多い(図1参照)が、エアコンが好きかどうかを確認すると、「どちらともいえない」~「好きではない」は約半数にのぼり(図2参照)、必ずしも好きで使用しているわけではないと考えられる。その理由は、約9割が「健康に悪い(体がだるくなる、喉が痛くなるなど)」と回答しており、特に健康面が気になっていることがわかる(図3参照)。
図1:リビングで主に使用している空調はエアコン
図2:主にエアコンを使用している人も好きで使用しているわけではない
図3:エアコンが好きではない理由は健康面

 また、エアコンは「健康的」と「不健康」のどちらに近いか、「健康的」を「7」、「不健康」を「1」として7段階で確認したところ、主にエアコンを使用している人の平均は「3.06」であり、「4」が「同程度」であることから、エアコンには「不健康」の方に近いイメージを抱いており、この結果からも健康面が気になっている様子が伺える。
 エアコンの魅力は、グループインタビューから「湿度が下がること」と考えられ、エアコンに対しては「湿度が下がるので魅力はあるが、健康面が気になる」といった評価と考えられる。
 近年、健康意識の高まりを受けて、ゼロカロリー食品や野菜スイーツ、糖質ゼロのビールなど、健康を意識した様々な商品・サービスが出てきており、以前のように健康をなおざりにした商品は少なくなってきた。「湿度が下がって、かつ健康にもよい」と感じられる夏の空調ができる日も近いかも知れない。

高安 光治

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