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新しいプロダクトの意外すぎる使い方

 ちまたでは「弁当男子」という言葉もすっかり定着し、この猛暑でも公園でお弁当を広げる男性を見かけます。特に若い男性は、小中学校から男女一緒に家庭科を学習しているせいか、調理することへの抵抗感はほとんどないようで、食べているのが自分のお手製であることも少なくないようです。
 都市生活研究所で行った調査で、20代に夕食を作る頻度を尋ねたものがあります。若い独身男性といえば平日は外食が多いイメージがありますが、自炊する人も意外に今は多く、週3回以上行なうと答えた人が4割以上にのぼっています。「エコ」・「健康」・「節約」が弁当持参のキーワードであると言われているようですが、夕食でもそれは実行されているようです。


夕食を作る頻度

 調査では、「今の20代はキッチンや食の場面で、デザイン性や出来映えを重視する傾向がある」という結果も出ています。食事の内容を写真で撮ってもらうと、各人非常に美しく盛り付けをしていて、カフェご飯かと見まごうものも多々ありました。雑誌やネットを参考にしているという人も多く、自分の食事を作るところから食べるところまで楽しんでいる様子がうかがえます。


 そんな中、「iDish」というサイトが今ネットで話題になっているようです。なんとiPadを器に見立てて、お皿などを画面に写した上に料理(寿司や刺身など)を並べて食べる、というもの。プリンやカレーなどにも挑戦しています。(もちろん、保護シートを貼っているそうです。)たしかに、買ってきたままのプラトレーよりも、写した寿司台に載せた方がおいしそう。それに、費用はかからないので「節約」もちゃんと実現できるアイデアです。


 新しいプロダクトの意外すぎる使い方。一般的に広まる使い方ではないですが、このトライアルはいろいろな可能性や示唆に富んでいるのではないでしょうか。お弁当をiPadの上に載せて食べる、くらいだったらすぐに真似できそうです。
 今の若者は「個性を重視」し、「見た目を気にする」世代。想像力に富んだ新しい使い方がまだまだ出てきそうです。


伊藤 千春

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