都市研コラム

もったいない(MOTTAINAI)

 「もったいない(MOTTAINAI)」は、意外に思うかもしれませんが、世界で通じる言葉です。試しにGoogleで「MOTTAINAI」を検索すると、約3,600万件ヒットしました(2013年2月現在)。ちなみに、「TENPURA」のヒット数が約2,900万件であることから、もったいない(MOTTAINAI)は、天ぷら(TENPURA)以上に世界で知られている日本語かもしれませんね。

 「もったいない(MOTTAINAI)」という言葉は、2004年に環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞された、ケニアのワンガリ・マータイ博士により世界に広く紹介されました。環境活動に関する3R(Reduce:ゴミ・資源の削減、Reuse:資源の再利用、Recycle:リサイクル)に加えて、Respect(尊敬、感謝の気持ち)をモットーとする活動を一言で表したものです。マータイ博士によれば、もったいないのような、自然のものに対する敬意、愛などの意思がこめられている言葉は他にはないそうです。


 ここで、東京ガス(株)都市生活研究所が最近行った、水に関する意識、実態調査での「水まわりのもったいない意識」について紹介したいと思います。まず、男性と女性を比較すると(図1)、全体的に女性の方がもったいない意識は強い傾向です。また、水を出す行為でも、米をといだ水やお風呂の残り湯のように一度使った水を捨てる行為よりも、歯磨きのときに水を出したままにするようなムダにしてしまう行為に対して、もったいないと感じる人は多いようです。


図1.水まわりのもったいない意識(性別)

図1.水まわりのもったいない意識(性別)


※注記:もったいない意識の程度を「もったいないと思う」「ややもったいないと思う」「どちらでもない」「あまりもったいないと思わない」「もったいないと思わない」と5段階で調査。図1(図2)は、「もったいないと思う」もしくは「ややもったいないと思う」と答えた人の割合を示している。


 次に、同居有無・年齢層別に比較したいと思います(図2)。男性の場合、単身と同居を比較すると、若年層・中高年層ともに、単身の方がもったいない意識が低い傾向にあることが分かります。一方、女性の場合、単身と同居を比較してもそれほど大きな差異は見られませんが、女性・単身の年齢層で比較すると、中高年層でもったいない意識が高い傾向にあることが分かります。男性の単身者は水まわりの節約を意識しない傾向にありますが、同居して暮らすと、周囲を気にしてもったいない意識が高まるのかもしれませんね。


図2.水まわりのもったいない意識(同居有無・年齢層別)

図2.水まわりのもったいない意識(同居有無・年齢層別)


 自分にとって何がもったいないだろうと考えてみると、水以外にも、電気、食べ物、使わない衣服やもの、そして時間等、色々と浮かんでくると思います。「もったいない(MOTTAINAI)」を世界に広く紹介したマータイ博士は、生前、以下のような言葉を残しています。
「未来は、ずっと先にあるわけではありません。『未来』は『今』にあるのです。将来、実現したい何かがあるなら、今、そのために行動しなければなりません。」

 
 もったいないと思うことがあれば、感謝の気持ちをもって接することで、単にそれを節約するだけでなく、自分の生活行動を見直すきっかけになるかもしれません。何かを変えようと思うなら、まず自分自身を変えることです。未来のために、『今』、考えてみませんか?

近藤 芳樹

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