都市研コラム

『食生活』を最も充実させたい人が増加

 都市生活研究所では、首都圏に暮らす人々の生活・意識・行動の現状およびその変化を経年的に把握するため、3年に一度、「都市生活者の意識・行動観測(通称:生活定点観測)」調査を行っています。調査結果(生活定点観測レポート2014)の中から、今回は


「あなたは今後、生活のどの部分を最も充実させたいですか。」


という質問の結果の経年変化をご紹介します(図1)。


図1 「あなたは今後、生活のどの部分を最も充実させたいですか。」


 1990年から2014年までの経年変化を見ますと、1996年時点で12.7%と最も低かった"食生活"は、2014年には26.0%まで増加しました。"レジャー・娯楽"は1996年時点で50.8%でしたが、2014年には39.8%に減少しました。"衣生活"・"住生活"・"耐久消費財"はほぼ変わっていません。約20年の間に、"食生活"が増加し、"レジャー・娯楽"が減少したということになります。
 この変化は、食生活が「生きるため」だけではなく、娯楽の要素も含まれてきているからではないでしょうか。家の中の食を考えると、様々な調味料、食材が揃い、便利な調理器具も考案され、昔よりも手間なく多様な料理を楽しめるようになりました。一方、家の外の食を考えてみても、現在では、繁華街や大きなショッピングセンターに行けば、和洋中、アジア料理、創作料理と、ありとあらゆる「食」があふれており、低価格なファーストフードから高級料理まで楽しむことができるようになりました。


 また、最近では、食の情報も入手しやすくなり、色々なグルメサイトが立ち上がっています。このグルメサイトの発展は、"食生活"を最も充実させたいと考える人が増えている象徴かもしれません。いくつかの有名なグルメサイト(レシピ検索サイトも含む)の開設年を表1にまとめました。


表1 グルメサイト開設年


 1996年、グルメサイトの草分け的存在の「ぐるなび」が開設され、その後、多くのグルメサイトが立ち上がりました。現在、飲食店で食事をしようと思った時点で、まずはグルメサイトを見る人が多いのではないでしょうか。また、今では主婦の献立づくりに欠かせないレシピ検索サイト「クックパッド」は、前身の「kitchen@coin」が1998年に始まりました。図1で、"食生活"が増加し始めているのは1999年前後であり、このニーズの高まりに合わせてグルメサイトが発展し、さらにグルメサイトの発展がニーズを喚起しているといったことも考えられます。


 図1のグラフからは、"食生活"の増加がとどまる気配はありません。このまま増え続けるのでしょうか。それとも、どこかで頭打ちとなるのでしょうか。引き続き、この動向を注視していきたいと思います。


※表1の備考 各社の沿革
1) 株式会社ぐるなび
2) ぴあ株式会社
3) 株式会社USEN
4) 株式会社リクルートホールディングス
5) 株式会社カカクコム
6) Retty株式会社
7) クックパッド株式会社
8) 京都アム有限会社
9) 楽天株式会社


足立 昌光

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