都市研コラム

「高齢化社会と暮らし」 記事一覧

高齢期の生活不安

 10月も半ばに入り幾分すごしやすい季節となってきました。 このところニュースでは、厚生年金の支給開始年齢の引き上げ議論についての話題が連日続いていますが、特に68~70歳支給開始案については世間の反響も大きくなっています。  厚生年金の支給開始年齢の変遷をみてみると、昭和19年の厚生年金保険法発足当初は55歳でしたが、平成12年までの数回の改正により65歳に向けて徐々に支給開始年齢が引き上げら...続きを読む

高齢期の生活不安

高齢者世代の入浴

都市生活研究所が昨年10月にリリースしたレポート「空間コンセプトVol.2」では、高齢者世代の食空間・浴室空間に着目し実態とニーズを探っており、この中で高齢者の入浴についての実態を報告しています。 高齢者世代は他の世代に比べて浴槽入浴を好み、75歳以上の方でも約8割が年間を通じて浴槽入浴をしています。(グラフC-4) 加齢による健康配慮の高まりとともに、「浴槽入浴は健康に良い」というイメージが...続きを読む

高齢者世代の入浴

高齢者のライフスタイルのとらえ方

 これまで高齢者というと、「60代以上」というくくりで考えることが多かった。しかし、超高齢社会をむかえた現代、高齢者を「60代以上」で代表させることは有効なのだろうか。  そこで、ここでは、いままで「高齢者」と呼ばれていた年代を、「60代」と「70代以上」にわけて生活に対する意識を比較してみたい。  まず、高齢期の生活イメージをみると、70代以上では60代に比べて、不安イメージが少ないことが特...続きを読む

高齢者の自覚はいつから始まるのか

超高齢社会を迎えるといわれて久しい。しかし、今後の高齢社会の主役となるだろう団塊世代たちは、現時点では自分自身のこととして、高齢期を考えていない。例えば、団塊世代たちは、定年を迎える時期に住まいの見直しを行なう場合が多い。いわば、終の棲家づくりを行なうのだが、彼らが望むのは、将来ではなく、現在を楽しむことである。 では、高齢者配慮は行われないのか。そんなことはない。彼らの多くは、自分のためではなく...続きを読む

高齢者の食生活 ~その9~

 前回は、一人暮らしの男性にスポットライトをあて、食生活実態についてご紹介しました。今回も前回に引き続き、一人暮らしの男性(以下、単身男性)と夫婦世帯の男性(以下、夫婦男性)を比較し、食生活に対する考え方において両者で違いが見られる項目(カイ二乗検定5%有意)についてご紹介します。  単身男性は夫婦男性に比べ、食事作りにおいて、やりがい、楽しみを感じている人が少なくなっていました。その結果、食事...続きを読む

第二の人生を何処で暮らすのか(5)
居住パターン4-故郷に帰る

 高齢期=第二の人生を何処で暮らすのかを考えてきましたが、今回は故郷に帰る、Uターンという居住パターンについて見てみましょう。  図-1は、 2004年に当都市生活研究所が首都圏の団塊世代を対象に行った調査の中で、「老後にもっとも住みたいと思う場所は?」という設問の結果です。故郷に帰るという回答は団塊世代の男性で5%弱、その他の属性では2%程度に留まっています。回答者の中には現在の地域で生まれ育ち...続きを読む

高齢者の食生活 ~その8~

 前回は、夫婦世帯の男性の調理実態についてご紹介いたしました。今回は、一人暮らしの男性にスポットライトをあて、一人暮らしの男性(以下、単身男性)と夫婦世帯の男性(以下、夫婦男性)を比較し、両者で違いが見られる項目(カイ二乗検定5%有意)について、ご紹介します。  単身男性は夫婦男性に比べ、持ち帰り弁当を買うなどの中食や外食を多く利用しています。外食の相手については、単身男性では同居家族がいないため...続きを読む

第二の人生を何処で暮らすのか(4)
居住パターン3-都心や圏域の便利なところに住み替える

 私が担当するコラムでは、まさに第二の人生といえる高齢期を人々は何処で暮らすのかを考えてきました。今回は「都心や圏域の便利なところに住み替える」という居住パターンです。 マイホームで叶わなかった夢 1970年代80年代に東京圏は急速に郊外へ拡大しました。丁度、子育て期にあった団塊世代を中心に、人々は郊外にマイホームを求めたのです。家計を考えて、足の便の悪さはちょっと我慢した人も多く、本当はもう少...続きを読む

高齢者の食生活 ~その7~

 定年を数年後に控え、団塊男性の料理熱も高まってきています。既に定年を迎えている方が多い高齢男性は、どのくらい料理をしているのでしょうか。夫婦世帯を対象に調べました。  夫が「料理をする」という人は、約半数の53.8%。このうちの60.8%の人、つまり全体の3割以上の人は、「ほぼ毎日」料理を作っていると回答しています。「男性の料理」というと、珍しい食材やスパイスもきっちり揃え、調理器具にもこだ...続きを読む

第二の人生を何処で暮らすのか(3)
居住パターン2-子供と暮らす)

 今、65歳男性の平均余命は18年、女性は23年あります。老後というには長い年月の第二の人生を、どう暮らすかをこのコラムで考えてきました。今回は第3回。子供と暮らすというのがテーマです。いまどきそんなことは考えてもいない、とおっしゃる方が多いと思いますが、少し前までは当たり前だったことを思い起こしてみましょう。  下の表では、豊橋技術科学大学名誉教授の三宅醇先生の推計値を基に、家族と一緒に住む高齢...続きを読む