今後「老後」と呼ばれる時期を迎える団塊世代。彼らは「子どもたち=団塊ジュニア」とどのような関係を築いていくのだろうか。
子どもとは気軽に会える距離に住みたい
今回の調査で「子どもがいる」とする団塊世代は96.4%。その子どもたちが、どこに住んでいるかをデータから確認すると、「完全同居」の場合が69.7%で最も多い。いわゆる「パラサイトシングル」と呼ばれる存在が多いと考えられる。親子関係の実状はともかく、現在の物理的距離は近い。
では、団塊世代は、老後、子どもとの距離をどうしたいのか。約半数(51.7%)が「老後、子どもが近くに住むこと」を重視している。具体的な距離については、団塊世代の34.3%が徒歩10分以内のところに住みたいとした。その他の希望についても、「完全同居」が3.1%、「2世帯住宅または同じ敷地内の別棟に住みたい」が19.5%であることから、半数以上は、子どもとは気軽に会える距離に住みたいと希望していることがわかる【図1】。

子どもを援助するかはわからない
老後の生活で、「できる限り自分の子どもの援助をしたいか」については、「どちらともいえない」が最も多い。厚生年金の支給開始年齢の引き上げや病気等の不安に備えて、まずは、子どもに頼ることなく生活を送りたいということか。また、約3割(28.8%)の団塊世代が老後の生活で子どもを援助したくないとした【図2】。

次に、「子どもに遺産を残したいか」についても、「どちらともいえない」とする回答が43.9%と最も多かった。ちなみに、今回の調査では、資産3000万円以上の団塊世代が36.3%であり、残す遺産がないとは言い難い。結果として遺産が残るのはよいが、現時点では自分の生活を楽しみたい、もしくは、守りたいという希望が強く、判断できないということか。いずれにせよ、老後、団塊世代が子どもを積極的に助けたいと思っていないことがわかる。
団塊家族のカタチは理想どおりにいくのか
平成15年版の国民生活白書によると、働く意思があっても正社員としての職を得ていない、いわゆるフリーターは417万人(15〜34歳、主婦・学生除)である。そのうち、団塊ジュニア世代の中心層である25〜29歳のフリーターは152万人。年齢層別で最も多い。平成12年に日本労働研究機構が行った「首都圏フリーターの意識と実態に関するヒアリング調査」では、フリーターのうち3分の2が親と一緒に住んでいた。今回の調査の団塊世代も子どもとの同居割合が約7割であることから、親というインフラに支えられるフリーターも少なくはないだろう。
一方、正社員として仕事をしている場合でも、親と同居していれば、1人暮らしの同世代の人より、自分のために使えるお金が多いことは間違いない。
晩婚化や非婚化社会の進展及びフリーターの増加など、学業を終えた子どもが、いずれ独立するという従来の構図は、すでに多くの団塊世代にあてはまるものではなくなった。子どもたちには親から離れない、離れられない状況がある。
しかし、親である団塊世代の多くは、子どもは独立するものとして老後の生活を描いている。このままでは、現在描く老後の生活に軌道修正が必要となる場合も増えるだろう。
|