研究レポート

レポート詳細

高齢者の食生活2010 ~少量多品目の食事を手軽に実現する調理法の提案~

カテゴリ 食生活と食文化 
発行年 2010年05月
作成目的 増加する元気な高齢者の調理実態・意識を把握することで、料理を続けていくための課題を抽出するとともに、身体機能の低下や家族形態の変化があっても少量で多品目の食事を手軽に実現する調理法を提案することで、高齢者の豊かな生活に役立てる。
内容要旨
  1. 高齢女性にとっての料理の意義は、経済性や栄養面だけでなく、精神面(アイデ ンティティの確認)や身体面(料理で頭や体を動かすと健康によいという意識)でも確認され、他の年代と比べて特徴的となった。一方で男性のひとり暮らしの場合は、経済的であるという意識が中心である
  2. 高齢女性の9割、ひとり暮らしの男性の7割が、「今後も料理をし続けたい」。一方で、身体機能の衰えによる動作不安や、家族人数の減少による料理意欲の低下や品数の減少といった、高齢者のライフステージ変化に伴う食事作りの課題が明らかになった。
  3. ニーズからみた場合に、上記の課題の解決には ・身体の衰えや不安感に対応するための使い慣れた調理機器の有効利用の推進 ・少量ずつ多品目の食事を続けるための調理方法提案 が必要である。
  4. 課題解決のために、魚焼きなどで使い慣れているグリル調理を提案し、高齢者による有効性を評価した。 その結果、 ・調理する食材数の増加(グリルによる温め直しやすきま調理の増加) ・夕食の調理時間の減少 が見られた。時間や手間をかけずに一度に食べられる量を作る調理法として有効と考えられる。 また、グリルで行われる調理として多くみられた野菜の加熱や揚げ物の温め直しにおける食味の主観評価では、野菜の美味しさや揚げ物の衣のサクサク感や脂っ こさがないことが評価され、その特性は理化学的検査によっても確認された。 煮物などやわらかく単一的な味の嗜好になりがちな高齢者にとって、グリル調理は新しい食感や調理意欲を増やす効果もあると考えられる。

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