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自宅におけるインターネット利用の実態

 インターネットを利用する人が増え続けていることはあらためて言うまでもありませんが、それでは、実態としてどのくらいの人々がどのような目的で利用しているのでしょうか?今回は、都市生活研究所が2005年9月に実施した「生活に関するアンケート(※)」の中から、「自宅におけるインターネット利用」に関して、年代別にその利用目的を調べた結果についてご紹介しましょう。
 まず、「自宅でインターネットを使っているか」については、全体の58.8%の人が「使っている」と答えました。年代別に見てみると10代から30代においては7割以上の人が使っていますが、40代以上になると年代と共にその割合が低下し、60代では35.3%、70代では22.3%となります(図 1)。

「自宅でインターネットを使っているか?」に関するアンケートの調査結果グラフ
 
それでは次に、自宅でインターネットを使っている人が、どのような目的で利用しているかについて、やはり年代別に見てみましょう。図2は上記「自宅でインターネットを使っているか」に対して「使っている」と回答した人を対象として、その利用目的を調査した結果です。

(1)情報収集
 インターネット利用の基本ともいえ、60代以下ではほぼすべての人が回答しています。
(2)メール
 これもインターネット利用の基本ですが、60・70代の高齢者においても多くの人々のインターネット利用目的の1つとなっていることがわかります。なお、10代の割合が他年代よりも低くなっているのは、「メールの利用は携帯メールのみ」という人の割合が高いためであることが1つの要因であると推測されます。
(3)ショッピング、(4)バンキング
 近年急速に普及してきているこれらのサービスですが、いずれも30代の割合が最も高くなっています。
(5)情報発信
 興味深い結果が得られたのがこれです。60・70代の高齢者の方がその下の年代(30~50代)よりも高い結果となりました。定年を迎えた高齢者の人々が、例えば共通の趣味を持つ人との情報交換をしたり、あるいは自己表現の場として、インターネットを利用しているのではないでしょうか? 前述した「(2)メール」の回答割合が高いこととあわせると、高齢者のインターネット利用の第一目的はコミュニケーションといえるかもしれません。

「自宅におけるインターネットの利用時間」に関するアンケートの調査結果グラフ

※都市生活研究所のアンケートモニター(1都3県にお住まいの方)を対象として、郵送調査により実施。データの集計に当たっては、1都3県の性別・年代別人口構成比に沿うよう、回収サンプルに調整ウェイトをかけた上で行なっている。
都市生活研究所 矢野 純二

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