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バス・トイレ別・独立洗面台・無臭ワンケー?!

 「ワンケー」とは、馴染みのない人にはどんなことを表すのか全くわからない単語でしょう。「1K」と書き、一人暮らし用賃貸住宅でキッチンが居室と分かれている類の部屋を呼びます。対して「ワンルーム」は、キッチンと居室が一緒になっている部屋のこと。ひところ、一人暮らしといえば「ワンルームマンション」がステイタスであるかのように言われた時期があり、今でも投資用マンションとしてワンルームは多いようです。しかし、最近の若者はかなりワンルーム離れが進んでいて、空き室になった後に次の入居者が決まらずに困っているオーナーも多いと聞きます。

 都市生活研究所で20代の人たちにアンケートをしたところ、「におい」を気にする人が他の年代よりも多い結果になりました。それは「匂い」だけではなく、「臭い」という方の漢字で表されるような、不快感に通じる方の臭いに対する意識も高かったのです。リセッシュやファブリーズといった消臭剤の所有率も高くなっています。
 そして、今の20代は自炊する割合が高いことも特徴です。男女平等に家庭科を学んだ結果、男子も当然のように自分で料理をこなします。家で料理をしてみると気づくのが、調理中の匂いや水蒸気が意外と多いこと。それは部屋全体に広がり、時間が経っても意外と残ってしまいます。つまり、「ワンルーム」だと寝具やカーテンに調理中の臭いが付いてしまうことがあり、それを気にしながら部屋を選ぶ若者が増えているらしいのです。

Q日常的に使用している消臭除菌グッズQ料理が上手であることはカッコイイと思う

 また、「3点ユニット」と呼ばれる、トイレと洗面が一緒になったバスユニットも最近は顕著に不人気です。自分の臭いを気にする20代はお風呂に入る頻度も多く、朝と夜の2回入る若者も少なくありません。浴室を使う頻度が多ければ、トイレや洗面が一緒だと不便を感じる頻度も多いのは当然のこと。床が濡れていたら、洗面台を使うとき足が濡れてしまいますから。
 そういう実情から、最近の若者は賃貸を探すときの条件として、「1K」と「トイレ・バス別・独立洗面台」を挙げることが多くなっているようなのです。


Q朝入浴する割合

 ワンルーム離れに表される、最近の若者のニーズと実態。この、においに敏感な若者の傾向は、今後も続く可能性が高いと思われます。そのうち「バス・トイレ別・独立洗面台・無臭ワンケーマンション」が、一人暮らしのステイタスとして賃貸住宅情報誌に書かれる日が来るでしょう・・・・か・・・・!?

伊藤 千春

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