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ガンダムコラボレーション

4月に入り続々と新店舗がオープンしています。
今月19日には、お台場にダイバーシティ東京プラザが開業しました。
昨年度よりこの施設は注目を集めていますが、ガンダムフロント東京が併設されていることもその一つではないでしょうか。


ガンダムといえば、1980年代初頭に放映されたTVアニメで当時の10代を中心に一大ブームを起こし、その後のガンダム作品群へ発展、現在でもひとつのマーケットカテゴリを築いています。さらに様々なジャンルにおいて、ガンダムとのコラボレーション企画や商品がリリースされている状況です。


当時10代だったファン層は現在40代となっており、消費意欲や購買力からも注目すべきセグメントといえるでしょう。現在発売されているガンダムコラボレーション商品を探してみると、栄養ドリンク剤や豆腐といった一見ガンダムとは関係性がなさそうな商品が見つかりますが、元々の商品ターゲットとして40代男性を対象として考えてみると(ドリンク剤ユーザー、晩酌のお供に豆腐?)、ガンダムコラボレーションはとても効果がありそうです。
過去のANAガンダムジェットといった企画も、出張で航空機を利用する40代を狙い撃ちだったのではないでしょうか。


また、都市生活研究所が行った調査では、40代後半男性は他の年代に比べ限定品に強く引かれる傾向が見られます。(都市生活レポート:40代のライフスタイル~現在の40代が求める「もっと」と「ちゃんと」とは
コラボレーション企画の多くが限定企画であることも、この世代の特徴に響きそうです。


関心が高いジャンルの商品について「限定品」があると聞くと欲しくなる
こうしたコラボレーション企画は、ファンが共有している価値観やキーワードを、ベースとなる商品の機能やデザイン、概念に生かすことが訴求力を高める重要なポイントだと思います。
さらに、上手にミックスされたコラボ商品からは、おのずと企画者の熱意やこだわりが伝わってきます。
こういった点も商品の魅力を引き上げる大切な要素のひとつではないでしょうか。


一方で、単に「シャアが人気らしいのでシャア専用○○」とか、「数量限定でレア」だけではコラボレーションの深みがありませんし、ターゲット層のこだわりが高い分かえって逆効果になる恐れもありそうです。


「商品を提供する側も同じ価値観を持っている」ことが如何にターゲットに伝わるかが大切。
ザクとうふに感動しつつ、商品の魅力とは何かを考える一人のファンでした。

宮城 禎信

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