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炎が暮らしにもたらす効用(海外の事例より)

 今年も冬の季節を迎え、暖房の欠かせない毎日が続いています。今年は灯油の値段が高騰していることが影響し、薪ストーブが増産され、寒冷地では利用者が増加しているようです。薪ストーブを使用することで、ゆらめく炎や輻射熱による暖かさの良さに改めて気付く方も多いことでしょう。
 現在のところ、日本は欧米と比較して、薪ストーブや暖炉が設置されている住まいは多いとはいえません。しかし、近年では都市部のホテルやハイグレードマンションの共用部等にガス暖炉が導入されるケースが増えており、日本でも暖炉への関心が高まっているのではないでしょうか。

 暖炉にはどのような魅力があるのでしょうか。2007年1月に東京ガス都市生活研究所が北米の暖炉使用者を対象に行った調査をご紹介します。
 まず暖炉の使用実態ですが、約8割の家庭でリビングに設置されており、リビングと寝室というように複数台の暖炉が設置されている家もみられます。暖炉の側ではテレビを見たり、読書や会話をするなど、家族団欒の時間を過ごしているようです。

 次に暖炉の良さですが、暖炉は暖房としてだけでなく、家族が集まる場やインテリア(図)、さらに暖炉が醸しだす雰囲気の良さが暖炉の価値として評価されています。
暖炉使用者の約7割が暖炉の存在を感じるのは「炎」と答えており、本物の「炎」があることが前述の暖炉の価値を見出しているのではないでしょうか。

暖炉を使用する目的や価値

 今後の暖房として、さまざまな魅力をもつ暖炉を見直してみてはいかがでしょうか。

荻原 美由紀

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