都市研コラム

お墨付き好きの女性 数字頼みの男性

世の中、エコブームである。
大手家電量販店の広告には、「エコポイント」制度を先取りした「エコ還元先取りセール」が大きく謳われ、環境性と経済性の2つのエコで消費を喚起している。
これまで、機能と価格を見比べてどちらがお得か判断して商品を選択してきた消費者が、環境性という新たな軸を加えて判断する土壌も出来てきたと、改めて感じられる。

とはいえ、現在消費者が環境性を判断する材料は、統一省エネラベルもしくは企業独自の環境性訴求広告からであると、インタビュー調査等より推察される。省エネ性表示が義務づけられているテレビ、エアコン、冷蔵庫については、省エネラベルで年間の電気代の目安が分かるため、商品価格が高くても何年で回収できるかという計算が比較的容易だ。しかしそれ以外の商品の環境性については、企業独自の環境性訴求力によるところが大きく、受け手側が持つ環境性イメージにばらつきが見られる。

その一例として、男女による環境情報に対する態度の違いを紹介する。一般的に、女性は感覚に頼る面があり、男性は理屈や数字を積み上げた科学的考え方をすると言われているが、環境情報についても受け取る態度に違いが見られた(下図)。男性(特に30代男性)の場合は数字で示された根拠に納得できなければ信じない傾向があるが、女性は「省エネ大賞受賞」などの客観的なお墨付きに目がいく傾向にある。そのため、男性には具体的数字を使って分かりやすく根拠を伝え、女性には第3者機関などによって認定されたお墨付きを伝えることが、環境性イメージを結びつきやすくするのである。

図 環境性訴求に関する調査(N=1020 2009年1月 都市生活研究所調べ)による
図 環境性訴求に関する調査(N=1020 2009年1月 都市生活研究所調べ)による

環境性は目に見えにくい価値であるため、企業は様々な形で見える化し、差別化できる表現を考えている。伝えたい内容がより伝わるためには、生活者の環境に対する価値観や情報の捉え方を意識して、正しくそしてより分かりやすい表現で伝えることが大切だ。

荒井 麻紀子

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