都市研コラム

求められる節電の取組み

 今年も7月に入り、全国的に節電が求められていますが、昨年に引き続き、さまざまな取組みを行っている方も多いのではないでしょうか。
 都市生活研究所が2011年5月から2012年3月までの約1年を通して実施した「震災後の暮らしとエネルギーの意識・実態の変化」に関する調査では、8割強が「節電をしたほうが良い」と思っており、約6割が「節電ができている」と回答しています。2011年5月と比べると低下がみられるものの高い割合を維持しており、今夏も多くの人が節電に取組むことが予想されます。
電気・ガスの節約意識と行動


 節電への取り組みは、家庭だけでなく、企業や公共の場でも行なわれています。
 昨夏以降は、近年普及しつつあった「クールビズ・ウォームビズ」に加え、「勤務時間の前倒しや勤務曜日の変更」「エレベーターやエスカレーターの停止」「外灯の消灯」など、さまざまな取組みが行われましたが、生活者はどのように感じていたのでしょうか。


 生活者の評価をみると、「クールビズ・ウォームビズ」「冷暖房の温度調整」「照明の消灯」については、8割以上が『継続したほうが良い』と思っており、賛同を得られていることがわかります。
<世の中全体や公共の場の節電について>冷房温度が高め/暖房温度が低めに設定されること


 ただし、賛同を得られているといっても『不便や不快である』と感じている人もみられます。「冷房温度が高めに設定されること」に関しては4割以上が『不便や不快』と感じながらも『継続したほうが良い』と回答しており、節電への協力意識の表れではないでしょうか。
世の中全体や公共の場の節電について


 一方で、「サマータイム制度などの勤務時間の変更」「勤務曜日の変更」「エレベーターやエスカレーターの停止」「夜間の外灯の消灯・減灯」は『やめたほうがよい』が約4割~半数近くとなり、継続を希望していないようです。特に「夜間の外灯の消灯・減灯」は『やめたほうがよい』割合が最も高くなっています。
 インタビューでは、電気のピーク時間帯でないことや安全性の理由に関する声がきかれ、これらの取り組みは、今後も望まれないでしょう。
<世の中全体や公共の場の節電について>夜間、外灯が消灯もしくは減灯すること


 生活者の節電への取組みや協力意識は高いですが、あまりにも不便や不快が大きく、長期間にわたって続く場合は、不満が爆発してしまうかもしれません。表面的には継続意向を示している取り組みに対しても、生活者の視点にたち、取り組みの内容を見極め、不満を軽減するような工夫を行っていくことが、継続的な節電のカギになるのではないでしょうか。

荻原 美由紀

このページの先頭へ