都市研コラム

子どもの成長で変わる間取り

 東京ガス都市生活研究所は、2013年に実施した、子ども(小学生~高校生が対象)とその親への調査を通して、「リビング」や「子ども部屋」に求められる機能やニーズを明らかにし、具体的な住宅プランを作成しました(詳細は「生活空間コンセプトvol.6 子育て世帯の住空間研究 ~子どもの成長に応じて変化する住まい~」をご覧ください)。
 今回はその中から、親子間の意識に関する背景データと、提案プランの一部をご紹介します。


 まず、背景データとして、親と子どもの両方に「家族一緒の時間を持ちたいか」と聞いたグラフを見てみます(図1)。子どもが小学生でいる間は、一緒の時間を持ちたいと回答する割合は親子で1割程度の差ですが、中学生や高校生になると、親子で2~3割程度の差が生じます。親子で一緒に過ごそうとする意識の差が小さい小学生の時期と、差が大きくなる中学~高校生の時期で、親子の距離感は変わってくると考えられます。

図1 一緒の時間を持ちたいか(親子の差)

 また、親に対して、子どもが一人で過ごす時間について聞くと、「大切だ」と回答する割合は、子どもの学齢につれて高くなる傾向でした(図2)。親は、子どもと一緒の時間を持ちたいと同時に、子どもの自立も願っています。

図2 子どもが一人で過ごす時間は大切だ

 そこで、親子の距離感の変化に合わせて、間取りを変えられる住空間を考案しました。今回ご紹介するプランは、都心型の集合住宅を想定しています(図3)。

図3 子ども部屋周辺の間取りを変えられる住空間

 子どもの自立に合わせつつ、子どもと一緒の時間も過ごしたいという親のニーズを考慮し、「子どもの成長やシーンに応じて様々な使い方ができること」、「親子でリビングにいても、それぞれの居場所があり、干渉しすぎないこと」を意識しています。子どもが小学生のプラン1、子どもの学齢が上がった後のプラン2、それぞれの特徴を以下にまとめます。


プラン1 ・・ 長男に子供部屋、まだ親離れをしていない次男に対応した間取り。
 ① リビングに近く、家族の気配を感じられて1人でも安心して眠れる。
 ② 子どもがお手伝いに参加しやすい、スタディカウンターとひと続きのキッチンカウンター。
 ③ 両親、次男の3人で川の字で眠れる主寝室。


プラン2 ・・ 自立を始めた2人の子どもにそれぞれ部屋を。各々が個別に過ごせるリビング
 ① 完全に2つに仕切って落ち着ける子ども部屋。同時に、リビングに近く、家族の気配を感じられる。
 ② スタディカウンターやリビングのソファなど、一つの空間で各々自分の場所がある。
 ③ 年頃の子どもが入浴していても洗面室を使えるように、脱衣室と洗面室を仕切る。



 東京ガス都市生活研究所では、今回のような子育て世帯のほか、下記のようなさまざまなセグメントに焦点を当てた住空間を提案しています。


生活空間コンセプトvol.7 ゆる食・装食世代の住空間研究 ~次期住宅取得層の求める住まい~
 ※今後、住宅取得層となる世代に注目した住空間研究
   ゆる食世代:1982~1988年生まれ(2015年現在において、27~33歳)
   装食世代:1977~1981年生まれ(2015年現在において、34~38歳)


生活空間コンセプトvol.5 50代・60代の住空間研究 ~より満足できるリフォームを実現するために~


 今後も、生活者の求める暮らしをもとに、住まいの方向性を考える住空間研究を継続して行っていきます。


足立 昌光

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