都市研コラム都市研コラム

若者のクリスマス事情

 11月も半ば、店頭でクリスマスグッズ、街でクリスマスツリーやイルミネーションもちらほら見られるようになりましたね。どのようにクリスマスを過ごそうか、そろそろ考え始めるころではないでしょうか。
 クリスマスは家族や恋人たちのためのイベントというイメージが強いですが若い独身の男女はどのように過ごしているのか気になるところです。


 東京ガス都市生活研究所で2014年8月に行った「若年層の食コミュニティに関する意識と実態に関する調査」(対象者:18~29歳の男女、独身の学生/社会人)によると、約6割の人が「クリスマスに家族以外と飲食や料理を行う」と回答しました。【図1】


図1 クリスマスに家族以外と飲食や料理を行いますか


■クリスマスは「恋人」よりも「同性の友人」と過ごす人が多い
 では、若者はだれと一緒に料理や飲食を行っているのでしょうか。【図2】
 一番多かったのが「同性の友人」で全体の約半数となっています。特に「女子学生」に多く、約7割にのぼります。また、社会人になると恋人と過ごす人の割合が多くなりますが、やはり「同性の友人」には及ばず。若者にとってクリスマスは「恋人と過ごすイベント」というよりは「同性の友達とワイワイ楽しく過ごすイベント」のようです。


図2 クリスマスには誰と飲食や料理を一緒に行いますか


■男性は「興味がない」女子学生は「一緒に行う人がいない」
 一方で全体の4割の人が「クリスマスに家族以外と飲食や料理を行わない」と回答していますが、その理由を見てみましょう。【図3】


図3 クリスマスに家族以外の人と飲食や料理を行わない理由


 全体で一番多い理由が「そのイベントに興味がないから」で、女性よりも男性のほうが「興味がないから」と回答している人が多いことが読み取れます。
 次に多い理由として、「一緒に行う友人・知人がいないから」があがっており、女性のほうが多いようです。この結果はひとり暮らしか家族同居かによって違いが見られ、とりわけひとり暮らしの女子学生(単身学生・女性)では最上位の理由になっています。


 ひとり暮らしの女子学生は全体では一番多い「興味がないから」という理由は一番少なく、ハロウィンやクリスマスなどのイベントについては「イベントで人と一緒に飲食することが好きである」(63.1%)【図4】、「イベントがあれば参加したい」(59%)【図5】と他に比べて高くなっています。
 ひとり暮らしの女子学生は「イベントが好き、参加したい」という意識が高い一方で「一緒にやる人がいないからできない・・・」という人が一番多いという結果に。


図4 イベント(お花見、クリスマス、ハロウィンなど)で人と一緒に飲食することが好きである


図5 イベント(お花見、クリスマス、ハロウィンなど)があれば参加したい


 都市生活研究所で20代後半から30代前半を対象に行った「ゆる食・装食世代のライフスタイル」調査からも「交友関係では周りの空気を読んで気を配り、結果として人と接することがストレスに」なるという若年層の特徴が表れていました。もしかすると、「一緒にやる人がいないからできない」ひとり暮らしの女子学生も空気を読みすぎてなかなか友人に「クリスマス一緒にご飯食べよ!」という一言がかけられずにいるのかもしれません。


 今年のクリスマスに一緒に過ごす人が見つからなかったら、巷のパーティーに参加してみる、ひとりクリスマスを充実させてみるなどポジティブにクリスマスを楽しんでみてはいかがでしょうか。


大野 明子

このページの先頭へ